キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

あいみょんが売れた理由が全くわからない

こんばんは、キタガワです。

 

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あいみょん、売れたなあ。昔からのファンである身としては、喜びと寂しさが入り交じった複雑な心境である。まあ、竹原ピストルKANA-BOONのときもそうだったんだけれども。


あいみょん、前から売れると思ってたんすよー!」と言うのは簡単だが、彼女のブレイクはそんな単純な話じゃない。


僕は未だに、あいみょんが売れた理由について、全くわからないでいるのだ。


例えばRADWIMPSのように映画主題歌がバズったとか、DA PUMPのように踊りやダサさにスポットが当たったとか、そういうわけでもない。


あいみょんはおそらく、口コミで人気を得た存在なのだろう。


僕が彼女を知ったのは、もう数年前になる。当時全く無名だった彼女の路上ライブ。そのとき歌われたとある楽曲が、いつまでも耳から離れなかった。


その楽曲こそが今の彼女の代表曲のひとつ、『貴方解剖純愛歌~死ね~』である。

 


あいみょん「貴方解剖純愛歌 〜死ね〜」LINEで作ったリリックムービー


〈あなたの両腕を切り落として 私の腰に巻き付ければ〉

〈あなたはもう二度と 他の女を抱けないわ〉

〈あなたがもしも他の人と手を 繋いでるのを見たら 指を食いちぎるわ〉

〈足を引き裂き歩かせやしない 唇を縫い 私だけのキスを 味わえばいいの〉


この曲を聴いたとき、リアルに鳥肌が立ったのを覚えている。歌詞の内容もそうだが、張り上げるように全力で歌い上げるあいみょんの声でもって、「本当にやるんじゃなかろうか……」という恐怖がビリビリと伝わってきたからだ。


ライブ終了後も、身の毛のよだつ歌詞が頭にこびりついて離れなかった。路上ライブでここまで心を蹂躙されたのは、生まれて初めての経験だった。


思えば当時の彼女の楽曲は、かなり赤裸々でリアルな表現が多かった気がする。「胸の谷間なら私にくらいあるわ」と怒る『お互い様やん』、母に隠れてセックスをしたがる『いいことしましょ』など。そのどれもが「たかが路上ライブっしょ」と軽い気持ちで聴いている聴き手の脳内にダイレクトアタックしてきた。


ライブが終わると、多くの人だかり。皆口々に「すげえ」と声を漏らしていた。それが数年前。


……で、最近のあいみょんである。


売れた売れたと聴いてはいるが、「どうせ歌詞が丸くなってメジャー路線で売れたとか、そういう感じだろ」と思っていた。


とりあえず、最新の楽曲『今夜このまま』を聴いてみる。

 


あいみょん - 今夜このまま【OFFICIAL MUSIC VIDEO】


〈だんだん息もできなくなって 心の壁も穴だらけで〉

〈制御不能 結構不幸? 自暴自棄です〉


エッグい。何これ?本当に同じ24歳なの?どんな恋愛経験してきたんだ。こちとら童貞だぞこの野郎。


『丸くなった』なんてとんでもない。むしろ破壊力が増している感がある。あいみょん節は未だ健在である。


ということは、これらの歌詞が一般層に完全に受け入れられたというわけだ。何がきっかけかはわからないが、とにかく。西野カナなど恋愛を歌う歌手は多くいるが、彼女は新たな『恋愛曲』の第一人者として君臨したのだ。


ライブはソールドアウト続出。CD売り上げも恐ろしいことに。これ紅白もあり得るのでは?

 

一体何があったのかは皆目わからないが、とにかく、あいみょんは売れた。


知らない人はぜひ聴いてみてほしい。ちなみに個人的なオススメは『生きていたんだよな』です。僕はこの曲で泣きました。

 


あいみょん - 生きていたんだよな 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】