キタガワのブログ

島根県在住のフリーライター。ロッキン、Real Sound、KAI-YOU.net、uzurea.netなどに寄稿。ご依頼はプロフィール欄『このブログについて』よりお願い致します。

【ライブレポート】シソンヌライブ2018『モノクロ』@松江B-1

こんばんは、キタガワです。


9月2日、松江B-1で行われたシソンヌのお笑いライブに行ってきた。

 

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今回のツアーで47都道府県制覇を目指すシソンヌ、ついに島根県に来てくれた。近場の広島ではレギュラー番組を持っているだけに歯痒い思いがあった。こんな辺鄙な場所にわざわざ来てくれてありがとうございます。


昼と夜の2回公演だったわけだが、今回は夜を選択。……というかお笑い単独ライブは初めてだったので、どんな心持ちで臨んだらいいのか全くわからない。


とりあえず中に入ると、薄暗い中に多くの椅子が備えられていた。いつもは『THE ライブハウス』な雰囲気満載のこの場所だが、やっぱりお笑いライブということで、空気感が少し違う。


そしてステージには今回のツアータイトル『モノクロ』を象徴するような、昔のテレビのような物体が鎮座していた。ちなみにこのテレビ、コントの最中も撤去されたりは一切なく、ずっと同じ場所にあった。


そもそも今回のライブ、思い返せば服装も変えなかったし、照明も一定の明るさだし、ステージにはテレビ以外のものは一切置かれることはなかった。極めてシンプルに削ぎ落とされた環境下でのライブだったと思う。


ここからはネタ紹介。思いっきりネタバレ全開なので、参加予定の方はご注意を。

 

①はじめての書店

書店に初めて来た客と店員のコント。『あまりの本の多さに気絶する』という冒頭から、「少し横になっていいかしら?」→「他のお客様もいますんで……」の流れで、掴みはバッチリ。


客はどうも「素敵な作品を読みたいの!」という感情のみで来店したらしく、本の名前も作者名も分からない。「素敵な作品を~」の一点張りなので、店員が困惑する様が面白い。


さらには「なぜあんな高いところに本があるの?まさか巨人が来る!?」、「本がたくさん……ここは森!?」と、客の感覚は勝手に麻痺していく。一貫して冷静な店員と、依然混乱したままの客のコントラストが映える。


最終的には『素晴らしい詩』という部分だけで、わけもわからずDREAMS COME TRUEの全歌詞集を買うというオチ。このときはまさか、この話が今後のコントの伏線になっているとは思ってもみなかったのだが。


②遭難

新卒で入社した新入社員が飛行機で研修先に向かう途中で事故に遭い、生き残りが自分たちしかいない、という話。


長谷川演じる新入社員はゴリゴリの体育会系で、ポジティブで明るいタイプの人間。対してじろう演じる新入社員は、超コミュ障で謎理論の持ち主。


次第にイラついてくる長谷川とマイペースなじろうの対比が面白い。前半は若干シリアス寄りな話ではあったものの、じろうが「あ……あなたのことが嫌いで~す!」と暴露したあたりから、笑いの導火線に火がついた。


ガハハと笑える話ではなかったが、僕としてはこういう笑いも好きなので楽しめた。溜めて溜めてドン!という盛り上がりもあれば、緩やかなペースで終わる話があってもいい。良かった。

 

③はじめてのカラオケ

まさかの①の伏線回収がされたのがこのコント。


DREAMS COME TRUEの全歌詞集を買った女性が、ドリカムの曲を歌いに初めてカラオケに来たという話。


このコントでポイントになったのは『DREAMS COME TRUEの曲を聴いたことがない』という点。「詞のイメージだけで脳内にメロディーが流れてきた。今回はその答え合わせをしにきたの」とのことだが、合っているわけがない……。


ここでも冷静な店員と恍惚の表情を浮かべる客との会話が最高で、「(指を左右に振りながら)LOVE♥️……LOVE♥️……LOVE♥️をお願い!」→「ラブラブラブですねー」→「ブランブランブラン?」の流れは反則。この流れ、5回くらいやっていた。


最後は実際の曲を店員が流し、客が「これじゃない!これじゃない!嫌ー!」と耳を押さえながら暗転。

 

④おちんちん

ラストのコントは、まさかのド下ネタだった。


マイホームを買いすっかり大人になった長谷川と、いつまでも子供のままのじろうの話。


このコントの肝は、じろうによる「子供はおちんちんを出すべきだ!」という支離滅裂な思考による混乱である。自身の子供に厳しいしつけをしてきた長谷川に、「大人になっちまったなあ!」と啖呵を切るじろう。もちろんじろうの方が間違ってはいるのだが、いかんせんじろうの熱量が凄く、次第にじろうのペースになっていく。


最後は子供がじろうになつき、おちんちんをしきりに露出するようになる。負けを認めた長谷川も、じろうも、みんなでおちんちんを露出して大団円。


そこを妻に見つかり暗転。面白かった。


④終了後は、シソンヌのふたりと観客とのトークへ。「島根は何が有名なんですか?」との問いに何も答えられない島根県民に、しきりにツッコミを入れていた。


「ノドグロとか、ババアの唐揚げとか、野焼きとか……」と頑張って話を広げるメンバーであったが、島根県民のレスポンスが悪い。……いや、本当に何もないのである。ノドグロ、そんなに食べないし。


極め付きは「ここらへん、何があります?」との問い。もう本当に何もない。ライブ会場のそばのイセミヤという場所は、居酒屋くらいしかない。有名店もないので、みな曇った顔をしていた。島根県民は繊細なのである。


だがさすがはシソンヌ。レギュラー番組も多数抱えていることもあり、卓越したトークスキルで笑いに変えていく。ありがたい。


ライブはちょうど1時間で幕を下ろした。アットホームな感じで、フラっと楽しむことができた。また行きたい。

セックスについて

こんばんは、キタガワです。


24歳にもなると、どいつもこいつも彼女いるだの同棲してるだの結婚しただの子供できただの。そういった浮わついた話をよく聞くわけですが。


まあストレスでしかないですね。


今回の記事では数年間彼女なし、ファーストキス未経験、セックス経験……というか女性の水着姿すら見たことのないチェリーボーイこと私キタガワが、思いの丈をぶちまける所存です。宜しくお願いします。


【男、セックス未経験者少なすぎ問題】

女性の方は分からないかもしれないが、男でセックス未経験の人はほとんどいないといっていい。


それは年齢が上がるにつれてさらに減少し、大学時代が終わる22歳頃にはほぼみんな卒業している。最低でも「セカンド童貞です」みたいなやつばっかりになる。そもそも何だセカンド童貞って。野球してんじゃねえんだぞ。こちとらノーアウトランナーなしだ馬鹿。


未だにトラウマなのが、新入社員の男衆で飲みに行ったときのこと。眼鏡をかけボソボソと喋る見るからに陰キャっぽい男や、女子から「カワイイー!」と言われる童顔の男も多く参加していたその飲み会で、とある質問がされた。


「みんな彼女いんの?いる人は挙手!」


飲み屋でこの流れになるのは必然で、本当に男はこんな話ばっかりする。「馬鹿だなあ。まあ僕はいないですけど。みんなそうっしょー」くらいの感覚でいた僕は、驚きの光景を見た。


なんと、僕以外の全員が手を挙げていたのである。


そのあとの飲みの話題については、想像に難くない。1時間あまり、僕に対しての地獄の質疑応答が始まった。


「彼女いないの?」「いないけど……」「ええー!」

「セックスは?」「まだ……」「ええー!」

「さすがにキスは?キスはあるっしょ!」「まだ……」「ええー!(口から泡吹いて死ぬ)」


普段からウェイ属性の奴らならいざ知らず、気付けば陰キャ男や童顔男も入り交じり、よってたかって笑いの的にされた。何だお前ら。羊の皮被った狼じゃねえか。


要はそういうことである。


ちょっと話は脱線するが、漫画を読んでいるときも傷口を抉られることがある。かの有名作品『クズの本懐』では

 

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1巻目でアレするし。

 

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ピュアな心で満たされていたはずの『バクマン。』でも

 

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最後にキスするし。


僕は負けている。たかが漫画にこてんぱんに負けた。リングの隅に追いやられてバカスカ殴られ続け、セコンドにタオルすら投げられず、レフェリーが一瞬でKO負け判定するようなクソ試合だ。


しかもこいつら、高校生なのである。試合に負けただけでは飽きたらず、さらに傷口に塩を塗りたくる諸行に、魂が抜けそうになる。


というか、高校生がアレしてアレする漫画が少年誌で連載されていたということは、世間的に『高校生の時点でのこの行為はされて然るべき』ということではないのか?


【セックス未経験=女性苦手説】

僕だって、交際経験がないわけではない。だが、そういった行為に関して、ヤりたいとは一切思わない。一切思わない。思わない。思わ……なくもない。まああれだ。一切思わないということにしてほしい。


だがひとつ思い当たることがあるとすれば、『女性が極端に苦手』ということだ。


気心知れた後輩や年配の人ならいざ知らず、同じ年代の女性や初対面の人とはバグったロボットのような挙動になるレベルで、僕は女性と話せない。


そんな人間がヤるとか無理じゃね?っつー話である。


これはまたどこかで書くかもしれないけれども、人生で一度だけ風俗に行ったことがあるのだが、「女性、無理!」という感覚が働き、1時間風俗嬢とダベって1万円払うという失態を犯したこともあるほどだ。何なら風俗嬢に出されたお茶でさえ「媚薬入ってんじゃねえだろな!」と思い拒否したほどだ。


というか、そもそもヤりたいと思わないのだ。快楽を得たいなら自家発電すればいいし、相手のことを無視して自らの快楽を貪る行為は、正直言ってやりたくない。


まだまだ卒業は先になりそうだ。僕はそう思いながら、手元の新しいAVを見る。


レシートには「3500円」の文字。


この3500円が、僕にとっての風俗なのだ。みんな、重症化したモテない男はこういうことするぞ。


変だな、涙が止まらねえよ。

【ライブレポート】SUMMER SONIC 2018 @大阪(1日目)

こんばんは、キタガワです。


初のサマソニ参加を決めた僕。ついにサマソニ初日を迎えます。以下は1日目のレポートとなります。

 

 


大阪に前乗りした前日のレポートこちら

 

 


サマソニ1日目、結果的にはこういう流れになった。

 

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今回、メインステージは完全に放棄した。結構時間がかかりそうだし、また戻ってくるのも面倒だ。オーラルとワンオクは観たかったが、どちらも何度もライブを観たことがあるし、諦めた。


WALK THE MOONやPortugal. The Man、paramoreが主な目的で、それ以外は気の向くままに堪能しようと思っていた。


それでは以下、サマソニ初日レポートです。どうぞ。

 


8:00 起床

魔法少女になり隊のライブが観たかったり、グッズを早めに買ったりしたかったので7時には起きる予定だったのだが、ガッツリ寝坊した。


思えば今までいろんなホテルに泊まってきて、その都度寝坊する経験をしてきた。サラリーマン時代や女性とのデートなど、何度も寝坊し、ギリギリで待ち合わせ場所に到着してきた僕であったが、今回のサマソニ初日、起床してからホテルを出るまでの過去最高記録を突破した。やればできる。


音楽の力は人のスピードを速めるということが良く分かった。少なくとも僕個人としては。


9:00 ユニバーサルシティ駅へ

サマソニには『会場への直通シャトルバス』というのがある。大阪の地理が分からない僕は今回これを購入した。とりあえず『ユニバーサルシティ駅』という場所まで行ければ、あとは勝手にバスが運んでくれる流れらしかった。


しかし逆に考えると、ユニバーサルシティ駅までは自分自身で辿り着くことが必須である。


で、乗り継ぎしたりして何とかユニバーサルシティ駅まで行けたのだが、道中でとあるハプニングがあり……。


電車の乗車券を無くしてしまった。


乗車券を買い、ユニバーサルシティ駅行きの電車に乗った。そのときに乗車券は胸ポケットにねじ込んだ。そこまでは覚えているのだが、胸ポケットに、ない。


もう顔面蒼白である。目と鼻の先にはユニバーサルシティ駅。しかし行くには、改札を通らなければならない。


困った僕は、改札横の駅員に相談した。すると一言。


「あー、じゃあええわ。通り」。


えっ、適当。


てっきり難波駅からの乗車賃を再度払うものとばかり思っていたため、拍子抜けした。大阪のゆるい府民性に、このときばかりは感謝した。ありがとう駅員さん。


10:00 シャトルバス乗車

 

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かくして改札を抜けた。人、超多い。左手には、あの有名なユニバーサル・スタジオ・ジャパンが見える。ジェットコースターでキャーキャー言ってる声も聞こえるほどだ。もしここで左手に行こうものなら、最大限にUSJをエンジョイできるに違いない。


だが僕はサマソニに行かねばならない。向かうは舞洲スポーツアイランドなのである。USJに行きたい気持ちをぐっと堪え、右手側の道に向かっていった。


左手側に進むUSJ勢と、右手側に進むサマソニ勢。親子連れやカップルでキャッキャとはしゃいでいるUSJ勢とは異なり、サマソニ勢はどこかギラギラしている。これから夜まで音楽漬けの一日を過ごすのだから、無理もない。僕は勝手に連帯感を抱いていた。

 

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シャトルバスへ向かう道には、ちらほらサマソニのプラカードを掲げたスタッフが立っていて、迷うことなく進めた(ほぼ直進だけど)。


10分ほど歩くと到着。事前に購入しておいたシャトルバスのチケットを見せると、リストバンドを渡された。紙で出来た安っぽいものだったが、これがないと帰りはバスに乗れないらしい。しっかり付けておく。


バスが走り出す。向かうは舞洲スポーツアイランド。サマソニ2018大阪会場である。鼓動が激しくなってきた。


10:20 会場到着

意外と早くついた。……というか、もうましょ隊始まってない?音が聴こえてくる。


驚いたのが、到着地点。個人的に今まで多くの夏フェスに参加したつもりだが、こんなことは初めてだった。

 

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到着地点はまさかの、ステージのすぐそばだった。

 

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WHITE MASSIVEというステージがあるのだが、まさにそのステージから歩いて30秒くらいの場所に着いた。ええ……?まだリストバンド交換してないよ?普通に観れるじゃんWHITE MASSIVEステージ。

 

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もちろん柵の中に入るにはリストバンド……もといサマソニのチケットが必要だ。だがこの写真を観て分かる通り、なくても柵の外からなら、普通に観れた。音もまあまあデカいので、アーティストを近くで見たい人でなければ申し分ない。大丈夫なのかこれ?


僕はこの光景を見た瞬間、友人(前日のブログを参照)に電話し、今すぐ舞洲に来るように言った。魔法の言葉は「おい、サマソニ無料で観れるぞ」だ(ちなみに友人はその後、基本的にWHITE MASSIVEに置き去りにした)。


さて、まずはましょ隊のライブを観ることにしよう。僕はリストバンドも装着していない謎の状態で、ライブを観たのだった。


10:20 WHITE MASSIVE
  魔法少女になり隊

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『旅するRPGバンド』、ましょ隊。去年メジャーデビューを果たした、オリジナリティ溢れる若手バンドである。

 

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『魔法にかけられたせいで喋れない』設定の火寺バジル(Vo)が、バッテン印のマスクを外しての1曲目は『ヒメサマスピリッツ』。キラキラシンセの音色とデスボイス、そしてオートチューンがゴリゴリにかかった火寺のボーカルが、聴く者の感覚を麻痺させていく。


中でも抜群の盛り上がりだったのは、『おじゃ魔女カーニバル!』のカバー。日本国民の大半が知っているであろうこの曲だが、ましょ隊バージョンはとてつもなかった。


『びっくりびっくりDon Don!不思議な力が沸いたらどーしよ!?』に対する『と"ーし"よ"ー!』のデスボの返しが秀逸だった。


良かった。朝イチから盛り上げる最高の役を担ってたと思う。オープニングアクトということもあり僅か5曲と短かったが、大満足。今度はライブハウスで観たい。


11:30 MOUNTAIN STAGE
 Knox Fortune

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リストバンドを交換し、次に観に行ったのはMOUNTAIN STAGE。WHITE MASSIVEからは徒歩5分。近いなー。

 

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MOUNTAIN STAGEの内部はシートエリアとスタンディングエリアの2つのエリアに分けられている。MOUNTAIN STAGEを右側から入るとスタンディングに、左側から入ると座って観ることができる。


で、今回はシートで観ることにしたわけだが、網上のもので視界が遮られており、かつ距離も遠い。その代わり足を痛めずに観れるというシステム。


ちなみにどちらも直射日光がバリバリに当たる。MOUNTAIN STAGEに限らず、サマソニ大阪は暑さとの闘いだった。本当に干からびるかと思った。


さて、Knox Fortuneの話題に移ろう。開口一番「ミナサン、コニチワー!」、「ロッケンローはスキデスカ?」とカタコトの日本語を繰り出すKnox Fortuneことケヴィン・ロンバーグ。

 


Knox Fortune - Lil Thing


ラテンっぽくもあり、ロックっぽくもあり。いろんなジャンルをミキサーに入れて、ごちゃ混ぜにしたような音楽性だった。


カラっと晴れた灼熱の大阪の気候とは裏腹に、何か涼しい風を感じるような、そんなライブ。全体的にほわーっとしてた。雰囲気が。


12:40 MOUNTAIN STAGE
  ENDRECHERI

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KinKi Kidsというグループ、みんなご存じだと思う。


そのメンバーである堂本剛という人物も同様に、みんなご存じだと思う。


ENDRECHERI(エンドリケリーと読みます)は、そんな堂本剛のソロユニット。前情報一切無しで観に行ったのだが、これが物凄かった。


まず、メンバーがかなり多い。全員が紫の衣装で固定され、女性コーラス隊が3人、楽器隊が何人も。総勢10人以上はいたと思う。


肝心の楽曲なのだが、堂本剛は「オー」、「イェー」と言うばかりで、ボーカルらしいボーカルを全く取らなかったのが印象的だった。終始ジャム・セッションのような即興演奏的雰囲気で固められており、気付けば曲が終わっている感覚。


日本で流行している音楽性とは真逆の楽曲たちに、思いっきり怯まされた。何だこれ。


ポカーンとしてたら40分が一瞬で過ぎ去ってしまった。「KinKi Kidsの人やろ?」と軽いイメージで観に来た人の脳内をぶん殴って帰っていった。圧巻だった。


14:05 MOUNTAIN STAGE
  WALK THE MOON

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陽気なポップス集団、WTM。ボーカルのニトラスは、全身真っ白な衣装で登場。上半身は鍛え上げた筋肉を見せ付けるように、肩から腰にかけてザックリ開いたタンクトップ。どこで売ってるんだその服。

 


WALK THE MOON - One Foot (Official Video)


満員御礼のステージ。1曲目『One Foot』からトップギア。キラキラした打ち込みのシンセの音色が心地よく、まさに踊れるポップロックといった印象。気持ちよすぎる。


サビで地面が揺れるほどの盛り上がりで、メンバーも嬉しそう。大阪ということもあり、しきりに「オオキニ!オオキニ!」と言っていた。去年リリースされた2枚目のアルバム『What If Nothing』からの曲を中心としたセットリストで、観客のボルテージを上げまくっていく。


曲によってはギターのイーライは小型のドラムを打ち鳴らしたり、ドラムのショーンはドラムスティックを回しまくる神業プレイで魅了していた。コールアンドレスポンスあり、振り付けありと、観客参加型のライブで楽しませてくれた。

 


WALK THE MOON - Shut Up and Dance


某動画サイトで3億回近く再生された代表曲『Shut Up and Dance』も圧巻だったが、一番驚いたのはラストの『Anna Sun』。なんと観客席に飛び降り、柵を乗り越えたニトラス。観客にもみくちゃになりながら熱唱する様子は、大きな衝撃をもたらしてくれた。


ハッピーな雰囲気に包まれて大団円。よかったー。彼らのサイン会に参加出来なかったのは一生悔いが残るだろうと思った。


14:45 WHITE MASSIVE
  yonige

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少し観た。『アボカド』と『さよならプリズナー』が聴けたので嬉しかった。

 


yonige -アボカド-【Official Video】


「これぞ夏フェス!」といったキラーチューンてんこ盛りのライブというわけではなく、緩急のよくついたコアなファン向けのセットリストだった。個人的にはyonigeのライブは3回目なのだけれど、ライブで聴いたことのない曲もいくつかやっていたので意外だった。


あくまでも自然体でやった結果なのだろう。ちなみに翌日のフェスではまた全く違ったセトリになっていたようだ。強気な姿勢、さすがです。


15:50 WHITE MASSIVE
  MONKEY MAJIK

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この時間になると、かなりの人がワンオク目当てにOCEAN STAGEに移動していた。余談だが、大阪はオーラル、ワンオクガチ勢がかなり多かった印象だった。噂によるとオーラル前にやったRAMZが地蔵すぎる逆に辟易して10分残しで帰ったとか、ワンオク後のChance the Rapperがガラガラだったとか、終演後はいろんな話を聞いた。やっぱり日本において、洋楽の人気はまだまだなんだなあと思った次第だ。

で、僕はといえば、そんなワンオク勢をよそにWHITE MASSIVEにいた。目的はMONKEY MAJIK。ONE OK ROCKの真裏ということもあり、若干閑散としているかと思いきや、後半はかなり人が入っていた。


個人的に『空はまるで』だけは絶対に聴きたかった。何はなくとも『空はまるで』。そんな気持ちで聴いていた。

 

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そんな『空はまるで』は、最後の最後に演奏された。正直、サマソニ初日のベストソングだった。太陽の光が降り注ぐあの環境で聴く『空はまるで』は、涙腺を緩ませた。


1曲だけ楽しむというのは本来良しとされないのかもしれない。でも僕は本当に観て良かった。


16:55 WHITE MASSIVE
  サンボマスター

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ポルトガルまで時間が余っていたので、少しだけサンボマスターを観ることにする。しかし「20分くらいは観れるかも」と思っていたのだが、予想より始まりが遅い。どうも機材トラブルがあったらしい。定刻よりも10分ほど遅れ、彼らのSE『モンキーマジック』が流れ出す。MONKEY MAJIKのあとにこの曲とは、なんとも。


小走りでステージに立った彼らは「お待たせ致しました!」と笑いを誘う。

 


サンボマスター『世界はそれを愛と呼ぶんだ』チャリティーコンサート

 

そこからの彼らはトップギアだった。『世界を変えさせておくれよ』、『青春狂騒曲』と畳み掛けていき、曲の合間には「国境なんか関係ねえんだよ!」、「あれ?皆さん、全日本盛り上がらない協会の方々ですか?」と熱いMCを飛ばし、火に油状態。


気付けばパンパンに人が入っていて、ステージからはみ出た観客が柵の外で塊になっている始末。


途中でポルトガルに向かってしまったので、最後まで観れなかったのが悔やまれる。


17:15 SONIC STAGE
  Portugal. The Man

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ここで初めてのSONIC STAGEへ。WHITE MASSIVEから徒歩3分。一言で言えば天国だった。というのもこのステージ、サマソニ大阪で唯一の屋内ステージであり、エアコンも効いている。クソ暑いサマソニの中でも格別に過ごしやすい環境なのだ。


しかもシート席も完備されているため、涼んだり休んだりする人が続出し、シート席は常に人で埋まっていた。外は35℃を超える暑さである。当初の予定を変更してSONIC STAGEで過ごそうという人が多いのだろう。寝ている人やぐったりしている人が多く見受けられた。

 

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あと個人的な意見だが、このSONIC STAGE、音がめちゃくちゃいい。しかも屋内だからVJ(映像投影)も使い放題。極端な話、SONIC STAGEの出演者だけ予習してずっとここで過ごせば、超快適な夏フェスが楽しめると思う。


さて、ここでPortugal. The Manの話に移ろう。

 

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始まる前にはサインも頂いてしまったポルトガル・ザ・マン。彼らは『最凶のサイケデリック・バンド』と呼ばれることが多いのだが、音源を聴いた限りではそんな雰囲気は一切ないので、以前より「なんでそんな異名が付いてるんだ?」と疑問に思っていた。


で、ライブを観て5分で分かった。こいつらは紛れもなく、最凶のサイケデリック・バンドだと。


まずVJについて触れておこう。ライブ中のモニターには常に映像が投影されているのだが、ライブ寸前に「僕らはトークが上手くないので、レコード会社が考えたメッセージを紹介するよ」との日本語の表示が。以降も「ハッパは好きかい?マジヤバいよね」、「家族で食事中に政治の話するの好きかい?マジヤバいよね」など、どこかブッ飛んでる和訳が次々と表示され、笑いを誘う。


加えてライブ中は非常ボタンの形の乳房をした女性が喘いでいたり、男同士がチューする寸前で焦らしまくるイラストが映し出されていて、もう訳がわからない。しかもその全てがかなり変なイラスト(ポプテピピックのAC部っぽい)なものだから、次第に頭がおかしくなってくる。


そして曲。もう8枚ものアルバムを出しているベテランバンドなのだが、異様にカバーが多かった。思えば1曲目からメタリカのカバーだったし、しかもそれがノイズとディストーションにまみれた爆音ギターが先行する、全く別のカバーになっていた。踊り狂っている人がたくさん見受けられたが、あんなに爆音でノイジーな雰囲気に呑まれれば、そりゃ踊るわという話である。まるで別次元にトリップしたようなカオスさで、感覚は次第に麻痺していく。

 

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ラストはもちろん、大ヒット曲『Feel It Still』でシメ。ゼッド&アレッシア・カーラやチェインスモーカーズ&コールドプレイなど名だたるアーティストを抑え、まさかの2017年度グラミー賞を受賞してしまったこの曲の冒頭、スクリーンにとある文章が映し出された。


「ここではコンピューターは非使用。生楽器だけ」


彼らが今回のライブ、いや、結成してから一貫して拘っていた部分はこれだった。生楽器のみの迫力と音像のみで、このヤバいライブを形成していたのだった。


WALK THE MOONも、CLEAN BANDITも、paramoreも、思い返せばみなPCの打ち込みを多用していた。僕が今日観た海外バンドの中で、生楽器のみの演奏は彼らだけだったのである。


MCなし。休憩なし。コンピューターなし。とんでもないライブを観てしまった。まさに最凶のライブだった。


19:35 WHITE MASSIVE
  CLEAN BANDIT

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夜になり、辺りはすっかり暗くなってきた。ステージ案内にも電飾が点けられ、『夜のWHITE MASSIVE』といった様相だ。


WHITE MASSIVEステージのトリを務めるのはクリーン・バンディット。はっきり言おう。僕はこのサマソニ初日、一番感動したバンドを問われれば彼女らの名を挙げる。


それほどまでに完璧で、他を寄せ付けない魅力的なステージだった。paramoreに行くのをギリギリまで渋ってまでも観たかった。本当にギリギリまで観た。


開幕は某動画サイトで7億回再生(!)を記録した『Symphony』から。ここでハッとさせられたのが、音の綺麗さ。夜なのも影響しているのだろうか、音が遠くまでよく響く。綺麗な音色が心臓の奥の方まで染み込んでいく感覚がある。

 

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ボーカルが歌い始めた瞬間に、鳥肌が立った。端的に言うと、口からCD音源。まるでCDからボーカルを丁寧に抽出したかのような声に、腹の底からビリビリした感覚が押し寄せて止まらない。


気付けばウルウルきていた。今までもライブで泣いた経験はいくつかあるが、それらはどれも『僕が以前から知っていて、生活の一部となっている曲』に限った話だった。カラオケで毎回歌っていたり、CDを擦りきれるほど聴いたりといったように。


だがほとんど知らない曲で泣くのは初めてだった。予備知識のない人がサラ・ブライトマンの歌声をたまたま聴いて涙したという話は有名だが、それに近いものだと思う。


とにかく、僕はこの『Symphony』で、完全にやられてしまった。踊れるし、ゆったり体を動かせるし、泣けるし。CLEAN BANDITはまさにこの時間に観るべきアーティストだと確信した。


そして今の今まで映像投影など一切しなかったWHITE MASSIVEステージだが、CLEAN BANDITではVJによる美麗な映像投影がされた。基本的には赤を基調とした、明るい色の円が次々出現する映像。それ以外にも歌詞が映し出されたりし、耳だけでなく目でも楽しませてくれた。


悲しいかな、僕は『Solo』を聴いた瞬間にparamoreへと走り去って行ったのだが、もっと観たかった。初日のサマソニ、ライブの面で悔やむことがあるとすればそれだけである。くそう。


20:15 SONIC STAGE
  paramore

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結果的にCLEAN BANDITという嬉しい出会いがあったものの、サマソニ初日の参戦を決めたのは何を隠そう、paramoreのライブを観たかったからだ。


彼らのライブを語る前に、まずは彼らについての説明をさせてほしい。


彼らが最後にサマソニに出演したのは、2009年のこと。この間の9年という長い期間はparamore……もといボーカルであるヘイリー・ウィリアムスに、大きな変化を与えた。


疾走感のあるロック・サウンドで人気を博した初期のparamoreは、紅一点のヘイリーの声質やその曲調から、アヴリル・ラヴィーンと比較されることが多かった。


そんな折、サマソニ2009年度への出演が決まった。当時、メンバーはみな10代だった。まだ若かったメンバーは、初期衝動全開のパフォーマンスを魅せた。おそらくあのときが最も波に乗り、メンタルが安定していた時期だったのだろうと推測する。


だがその後は悲劇の連続だった。ますジョシュ・ファロ、ザック・ファロ兄弟の脱退が発表された。加えてジョシュは脱退時、メディアを通してヘイリーを大々的に非難した。そしてベーシストであるジェレミーの脱退もあり、5人いたはずのparamoreは気付けば2人になっていた。


ヘイリーはバンド解散も視野に入れていたという。心身ともに病み、辛い時期が続いた。


そして去年、転機が訪れる。なんとザックがバンドに復帰したのだ。7年越しの奇跡だった。長い時間を経て、メンバーは3人に減ってはしまったが、遂に準備は整った。彼らは悲観を笑い飛ばすアルバム『After Laughter』をリリースし、サマソニに帰ってきたのだ。


さて、ここからライブの感想に移りたいと思うのだが、もちろんセットリストの大半は『After Laughter』から。そこに歴代の名曲を詰め込んだ、文句なしのライブであった。


最大のハイライトは、『Misery Business』。やたらと長いMCが挟まれるも、流暢すぎて何を言っているのか全くわからない。すると、チラホラと客席から手が上がり始める。何だ何だと思っていると、おもむろにヘイリーがひとりの観客をステージに上がらせたのだった。


どうも「この曲を一緒に歌ってくれる人はいる?」という趣旨のMCだったようだ。


ステージに上がった海外の女性は、ヘイリーとハグをしながら感極まって泣いていた。「歌える?」と聞くヘイリーに対し、涙で濡れた表情で「ノー……ノー……」と言っていたのが印象的だった。


そこからの彼女のボーカルはうまかった。何かこっちまで泣きそうになってしまった。会場は拍手で埋め尽くされた。


ラストに演奏されたのは、ヘイリーが悩み、苦しんだ挙句絞り出した楽曲『Hard Times』だった。

 


Paramore: Hard Times [OFFICIAL VIDEO]


〈辛いとき それでもなぜ頑張るのかって思う〉

〈辛いとき 泣くくらいなら笑っていたわ(和訳)〉


『Hard Times!』と何度も歌われるこの曲で、ヘイリーは終始笑顔だった。あの頃の彼女はもういない。そこにいたのはストレスから解き放たれ、『今』を謳歌している彼女の姿である。


一気に駆け抜けた14曲。アンコールなし。トリにふさわしい、圧巻のライブだった。最高。


21:30 ホテルへ

paramoreのライブが終わると、みななだれ込むようにシャトルバスへの移動を始めていた。僕はWHITE MASSIVEに置き去りにしていた友人と合流し、帰路についた。


で、ひとつ今回のブログで言いたいことがある。それは、「絶対シャトルバスのチケットは買っとけ」ということだ。シャトルバスの待機場所には長蛇の列が出来ていたもののバスの本数が多く、ほぼ待たずに乗れたのだが、問題はチケットがない人たち。

 

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友人がそうだったのだが、シャトルバスのチケットがない人は、必然的に市営のバスかタクシーで帰ることになる。これがなかなかキツく、どれだけ並んでも一向にバスが来ないらしいのだ。サマソニ大阪、去年も同じようなトラブルがあり炎上していたのだが、改善されてはいないようだ。


結果的に友人とユニバーサルシティ駅で合流したのは、なんと夜11時30分。無料で楽しみたい人でもシャトルバスチケットだけは買っとけ。そう強くオススメしたい。たった800円払うだけで快適に帰れるのだ。ぜひお忘れなきよう。

 

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たこ焼きを食べてホテルへ戻る。うますぎです。大阪住みたい。


明日はついにノエル・ギャラガーを観ることができる。楽しみでほとんど眠れなかった。2日目の様子は、また近いうちにアップする予定だ。

 

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余談だがこのブログ、9500字を超えてしまっていた。卒業論文じゃねえんだぞ。2日目のレポートどうすんだ。


それではまた次回、2日目のレポートでお会いしましょう。それでは。

 

→2日目のレポートはこちら

サマーソニック2018大阪レポート~前乗り編~

こんばんは、キタガワです。


『3泊4日の大阪旅行』を企画したのは、1ヶ月前のことだった。


理由はひとつ。サマーソニック2018への参加だ。


正直今まで「サマソニに行きたい」と思ったことは、一度としてなかった。夏フェスならもっと近場でいくらでもやっているし、海外アーティストが来日する機会という面からも、サマソニよりもフジロックの方が興味があった。


ではなぜサマソニへの参加を決めたのか。それはノエル・ギャラガーがヘッドライナーに決まったからだ。

 

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ノエル・ギャラガーは僕にとってのロックヒーローだった。彼が主な作詞作曲を務めていたバンドである『oasis』が、僕は大好きだった。


世紀の名曲『Don't Look Back In Anger』は今まで何回泣いたか分からないし、他の曲もほとんど歌える。それほどのファンだと自負している。だがoasisは、すでに解散してしまったのだ。その後ノエルはソロ活動に徹するようになり、oasisの楽曲のカバーをしたりオリジナル曲を披露しながら、精力的に活動していた。


で、今年のサマソニである。憧れのロックヒーローに会えるとなれば、行きたい。いや、行かねばならぬと思った。

 

サマソニの会場は東京と大阪の2つから選ぶことができるのだが、今回は予算の都合上、大阪に決めた。東京のみで開催される前夜祭『ソニックマニア』に死ぬほど行きたかったのだが、泣く泣く諦めた。島根県から東京は無理ゲーであった。


サマソニは8月の18日と19日。逆算して、17日に大阪に前乗りし、18日と19日はサマソニを全力で楽しみ、20日に島根に戻る計画を立てた。


かくして僕の3泊4日の大阪旅行は幕を開けたのであった。


14時 大阪到着

バスに揺られること4時間半、目的地である新大阪駅に到着した。

 

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夜行バスほどのストレスはなかったものの、4時間半という時間はなかなかに長く、車内は狭かったりエアコンがききすぎていたりと中々窮屈だったので、駅に降り立った瞬間には一気に肩の荷が降りた思いがした。


一刻も早くホテルにチェックインしたかった。ホテルは難波にあるとのことだったので、一路難波を目指すことに。


新大阪駅から難波に行くには御堂筋線という地下鉄に乗るのがベターらしい。で、チケットを買う必要があるのだが、ここでまず大阪の洗礼を受けることになった。


まず、人の動きが早い。一切の無駄がなく、みなサクサクとチケットを買って去っていく。何これ?アンドロイド?


僕は生粋の島根県民で、地下鉄はおろか、電車すらまともに乗ったことがない。だがこれを突破しないことには、ホテルに辿り着けない。やるしかない。


で、結論から書くと、行き先間違えた。最高の出だしである。


15時 ホテル到着

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行き先を間違えるハプニングはあったものの、なんとかホテルに辿り着くことができた。


泊まるのはカプセルホテル。ちなみに男性専用という、何とも珍しいタイプのカプセルホテルである。大浴場、サウナ、さらにはマッサージやプールもあるとのこと。フウー!


で、予約をしたときは分からなかったのだが(分かれよ)、どうもこのホテルは全体的に良いことづくめのホテルのようで、なんと道頓堀中心部から徒歩5分圏内。しかも駅へのアクセスも抜群。


とりあえず歩くのに荷物になるキャリーバッグを置かせてもらい、少し部屋で休憩。スマホを充電しながらはじめしゃちょーの動画を観つつ、ちょっと寝た。


部屋は少し天井が高いくらいで、まあ普通のカプセルホテルの部屋だった。狭かった。

 

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ホテルを出ると、近くで飯を食べた。まぜそば。うますぎて意識が飛んだ。


16時 友人と合流

道頓堀を探索していると、一本の電話が入った。数日前に地元で一緒に酒を飲んだ、とある友人からだった。


彼は大阪に程近い奈良県に居を構えている人間で、「良かったら会わない?」とのことだった。


道頓堀で合流し、フラフラすることにした。


彼はいわゆるオタクというやつで、仮面ライダーやアニメに造詣が深い。逆に僕は一切興味がない。のだが、馴れない土地ということもあり、彼の案内に全面的に従うことにした。


『それ系』の店を回る。難波といえど、中心部から離れるとカオスな雰囲気になるのだなと感じた。

 

あと、気になるものがいろいろあったので列挙していきたい。

 

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飲ます店。

 

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泣くな男だろう。

 

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ドラクエに侵食されたローソン。入店音もしっかりドラクエ


18時30分 ライブ

偶然にも難波でライブがあるらしかったので、急遽参加を決めた。暇そうだったので、友人も行かせた。友人が音楽に興味がないらしく、終始真顔だった。申し訳ない。


このときは、まさか彼とサマソニに行くなんて思ってもみなかったのだが。

 

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出演者はThe peggies、the floor、コレサワの3組。僕はコレサワのファンなので、一目観たかった。


結論から言うと、この3組のライブは全体的にうーんという感じだった。悪くはない。悪くはないのだが、泥臭いライブやCDを超える体験を期待していた分、微妙な感じだった。


まあ、そんなこともある。


21時 ホテルへ

とりあえず飯屋を探し、道頓堀をフラフラする。


途中でバーのキャッチのお姉さんに捕まったのだが、あまりにも可愛すぎて店に入りそうになった。危ない。「1時間でええから!」、「30分!」、「じゃあ15分!」とだんだん時間を狭めてでも客を獲得しようとするあたり、大阪の商売上手な感じが伺えた。というか15分しかいないバーって何だよ。

 

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晩飯は『宮本むなし』というところに決めた。大阪ではポピュラーな定食屋?なのか?

 

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カツの卵とじ。うまさここに極まれり。


ホテルに帰る途中、またあのキャッチのお姉さんに捕まった。僕への勧誘は諦めたらしかったが、代わりに超絶陰キャの友人が標的となった。女性と話した経験がほぼない彼は死にそうな顔をしていた。女性へのさらなるトラウマを植え付けてしまった。


友人と別れ、ホテルに戻った。前述したように彼とはサマソニで一緒に過ごすことになるのだが、その話はまた次回。


大浴場に入り、疲れを癒す。大阪の府民性が出てるなと思ったのが、カプセルホテルから全裸で大浴場に向かう人が多数いた。更衣室あるじゃん。普通に女性の店員が見てる。何これ?異世界


大浴場を出るとバーがあるのだが、男衆がパンツ1丁で酒を飲んでいた。怖すぎ。


すぐ部屋に戻り、YouTubeで翌日の出演アーティストの予習をした。WALK THE MOONとPortogal.the man、そしてヘッドライナーのparamoreの3組が個人的に観てみたかった。ガッツリ予習した。


さて、明日はついに、人生初のサマソニだ。一体どうなることやら。

ノーカット!低予算!無名!映画『カメラを止めるな!』感想(ネタバレなし)

こんばんは、キタガワです。

 

 

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いやー、ぶったまげた。当ブログでは過去何度も映画を紹介し、絶賛し続けてきた。だがこれはそのどれとも違う。間違いなく2018年台風の目的作品である。

 

 

『ネタバレなし』とタイトルに書いたが、もう何も語りたくない。これは前情報を入れれば入れるほど、実際に観た際の驚きは減る。なんならPVの予告編なんかは「絶対に観るな」と言いたいほどのレベル。

 

 

なもんで、いざ書こうと意気込んだものの、何を書いてもネタバレになってしまうので筆が進まない。本当に何も書けない。そんな映画は初めてである。

 

 

……というわけで今回は『オフィシャルのPVで得られる情報よりも少ない知識』を、タイトルにもある通り『ノーカット』、『低予算』、『無名』という3つのくくりに分けて紹介したいと思う。

 

 

まずは『ノーカット』という部分から。

 

 

この作品の肝のひとつに、カメラを一切止めないノーカット映像がある。皆さんも経験があると思う。カメラを構えながら赤い丸の動画ボタンをピッとやって、そこからファインダー越しに動画を撮影したことが。

 

 

要はそれが何十分も続くのである。そこにあるのは、圧倒的なリアルだ。息づかい、何気ない会話、空気感……。全てが逃げ出したくなるほどの現実味を帯びて、スクリーンに映し出される。

 

 

そのあとに何があるのかは、映画を観て確認してほしい。

 

 

次に『低予算』という点。

 

 

この映画、なんと制作費は300万円だそうだ。安すぎ。SAWの1作目かよ。日本の映画の平均予算は5000万円だから、『カメラを止めるな!』はおよそ16分の1の制作費ということになる。頭がおかしいのか?

 

 

聞いた話によると、例えば血のついたシャツなんかは監督が自宅で血糊をベタベタと塗り、天日干しで仕上げた代物らしいし、物語上に出てくる赤ちゃんは監督の実の息子を起用している。

 

 

徹底したDIYっぷりには恐れ入るがそれもそのはず。この映画は俳優養成所であるENBUゼミナールの作品であり、大手の制作会社が関わったりなどは一切していない。なので意図的に低予算に抑える必要があったのかなと感じる。

 

 

映像を観ていても「金かかってんな!」と思う部分は一度たりともない。だがその分、卓越したシナリオが良い意味で全てをどうでもよくさせている。

 

 

最後に『無名』という点。これは俳優や女優のことを指す。

 

 

劇中は正直、誰も見知った顔がない。天下のWikipedia様で調べても、何も出てこない人がザラにいる。日本で上映している映画の出演者は何らかの会社に所属しているのがお決まりだが、今作の出演者はフリーの人ばかり。

 

 

「無名の中でもあえてポンコツを取った」とは監督の弁だが、逆に良い味を出している。終わってみるとこのメンバーでないと駄目だったろうし、もっと言えばここまでのヒットは見込めなかったとも思う。

 

 

この映画はひとりの主演がズドンと抜きん出たり、特定の人物にばかり焦点が当てられるようには作られていない。あなたがこの映画を観たとき、「○○さん良かったなー」なんて感想はおそらく出てこない。全員が合わさって、ひとうの塊を形成している印象だ。

 

 

さて、3つの部分に焦点を当てて語ってきたわけだが、この記事を観ただけでは何のこっちゃ分からないと思う。そう見越して書いたから仕方ない話なのだけれど、本当にこれ以上書くと核心を突いてしまいそうなのだ。申し訳ない。察してほしい。

 

 

カメラを止めるな!』は監督いわく、当初は「5000人に観てもらえれば御の字だろう」と考えていたそうだ。それが7月25日の時点で、動員数は3万人に達している。このままいけば確実に、数億円規模の映画と同等かそれ以上の利益が見込めるはずである。

 

 

公開初日は東京の2つの映画館でしか上映されていなかったが、現在は全国の映画館で観られるようになっており、今後はさらに拡大していくはずだ。

 

 

僕は大阪のとある劇場で観賞したのだが、連日満席で、当日フラっと観るなんてとてもじゃないが無理だった。

 

 

要は「さっさと観るのが吉」というわけだ。気になったあなた、今すぐ映画館へGOだ。絶対に後悔はさせない。日本映画の新たな可能性を、ぜひ目に焼き付けてきてほしい。

 

 

それでは。

始めて飲むノンアルコールの酒はうまい?不味い?

こんばんは、キタガワです。


以前の記事でもチラッと触れましたが、最近は体調がよろしくなくてですね。で、いろいろ考えて「普段の食生活に原因があるのでは?」という結論に達しまして、実は2週間ほど断酒をしております。


毎日浴びるように酒を飲み、意識を失うように寝る生活を繰り返していた人間が断酒すると、どうなると思いますか?


答えはひとつ。酒、飲みたくなるんですよ。


そもそも『今までやってたことを突然やめる』というのは強いストレスを感じるものです。禁煙してた人がまた吸い始めたり、ダイエットを始めるも続かず、断念したりというのはよく聞く話。


酒もまた同じで、普段当然のように酔っている時間帯にシラフでいることの違和感たるや。口数は日に日に少なくなり、あれほど爆笑していたVS嵐を無表情で観るようになるなど、日常生活にも支障をきたすようになりました。


ここ数日、酒解禁の判断を下すべきか、ギリギリまで迷いました。


医者に『酒は絶対飲むな!』と言われたわけでもないし、そもそも今まで毎日酒を飲んでいても、全然平気だったわけです。別に飲んでいいんじゃね?と。


ですがせっかく良くなりつつある体。万が一飲酒が引き金となって悪化したら、元も子もありません。それだけは何としてでも避けなければ。


悩んだ挙句、僕が出した結論がこれでした。


ノンアルコールビール飲もう!」


ノンアルコールビール。それは酒が全く入っていないビールのこと。これなら大好きなビールを飲んでいる感覚もあるでしょうし、少しは禁酒のストレスも和らぐかもしれません。


ですが、ひとつだけ問題がありまして。僕、ノンアルコールビール飲んだことないんですよ。


思い返せば、親戚との飲み会などで「ビールかノンアルコールビールか」と聞かれたら迷わず「ビール!」と即答していましたし、何なら「ノンアル飲むならジュースやお茶で良くない?」とも感じていました。


僕とノンアルコールビールは、いつも近い距離にいながらも、決して相容れない存在だったのでした。


「……そんな日々も今日で終わり。僕はノンアルデビューするんだ」


そんな強い思いを胸に秘めた僕はバイト終了後、コンビニでついにノンアルコールビールを買い、そのまま帰路につきました。

 

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はい。


数年間無類の酒好きとして生きてきましたが、まさかノンアルコールビールを食卓に置く日が来るとは思いませんでした。なんか泣けてきた。


さて、いよいよノンアルビールを飲もうと思うのですが、やはりお酒を飲むからには『ビールのお供』が必要ですよね。

 

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そこで選んだのがこちら。からあげクン明太子味です。一瞬「週に1回ペースで新しい味出てね?」と疑問を感じましたが、それはそれとして。濃い味のからあげクンとビールのコラボレーション。まさに完璧な布陣と言っていいのではないでしょうか。


ですが、これだけでは終わりません。なんと母親から「餃子あるよ」との声が。最高かよ。からあげクンと餃子とビールの組み合わせ……。これ以上は死人が出かねません。ここいらでストップをかけるべきでしょう。


かくして、最高の晩餐が幕を開けました。

 

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まずはノンアルビールを開けてみましょう。『プシュ!』といい音を立てて、泡が溢れだします。一見すると完全にビール。というかビールです。This isビール。僕は今からビールを飲むのです!

 

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普段は缶のまま飲むのですが、今回は雰囲気を出すためにコップに注ぎます。まさに「最高の夏」という感じがしますね。The best summerです。

 

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……バカなことを考えながら注いだ結果、泡とビールの割合がクソゲボになりました。こんなの居酒屋で出したらぶっとばされますわ。

 

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それではビールを飲んでみたいと思います。まずはからあげクンを食べーの……。

 


ビールを一気に!!!!!!

 

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……???????????

 

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えー……?うーん……え?ちょっと待ってほしい。


ええ?これ……えー?

 

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餃子を食べまして……

 

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ウエーイ!

 

 

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……??


あの、物凄く変なことを言うんですけど、ビールだけどビールじゃないです。何だこれ。本当に何だこれ。


口当たりとか苦味の感覚は100%ビールなんです。なんですけど、アルコール感がないせいで謎な感じになります。


脳の判断と味覚が追い付いてないというか。脳は「酒だー!」って言ってるけど味覚は「いや違う!」みたいな。もう頭がバカになってます。


催眠術師に「酒ですよ」と言って飲まされたらベロベロになる自信がありますし、極端な話、友人にビールの中身をそっくりそのままノンアルに変えられた状態で飲んだら、酔えると思います。それほどまでにビールに近いです。でもビールじゃない。


コレジャナイ感たるや。この感覚は一体何だ。


この日は地元の祭りが開催されていて、花火がバンバン鳴っている状況下です。本来ならば『ビールを飲みながら花火の音を聞く』という風情のある光景のはずなのですが、風情なんてものはどこにもありゃしません。だってノンアルだもの。


確かに『ビール飲んでるっぽさ』はあるけれども、違和感バリバリでだんだんキツくなってきます。だってノンアルだもの。


結論・今すぐ"酒"を飲ませろ

映画『ゴーン・ガール』感想(ネタバレなし)

こんばんは、キタガワです。

 

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先日『Gone Girl(ゴーン・ガール)』という映画を観た。何の前情報もなしにレンタルしたわけだが、これが物凄かった。


まず、中身は本格ミステリ。次々と明らかになる衝撃的な展開から、片時も目が離せない。中でも秀逸なのは、主人公の妻を演じるロザムンド・パイクのその演技力。彼女の渾身の演技でもって、僕らは他のミステリ映画の追随を許さないほどの恐怖感に支配される。


この映画は『帰宅すると妻がいない』という失踪事件から幕を開ける。いつしかとある有名な書籍のモデルともなった妻の失踪は、ファンやメディアを巻き込んでの大騒動となった。


だが次第に警察は、主人公へと疑惑の目を向け始める。状況証拠、証言、立ち振舞い。それら全てが『犯人は主人公』だと物語っているかのようだった。


果たして犯人は誰なのか?妻はどこに消えたのか?どんな結末に収束するのか?……そんな疑問が次々と沸いてきて、2時間の上映時間の間、飽きることなく楽しめる作品だ。


ミステリというのは、観る人の予想を裏切らせたら勝ちなジャンルである。だが同時に、それは最も難しいことだとも思うのだ。だからこそ似たり寄ったりなミステリ作品が蔓延っているし、『SAW』や『CABIN』などの人気ミステリ作品では、やり尽くされた王道展開を根本から破壊するようなシナリオにしたわけだ。


では『Gone Girl』はどうか。『Gone Girl』の注目すべき箇所、それはラスト40分間である。僕自身『最後の○分は絶対予想できない!』などの触れ込みの作品は大嫌いで、観ても「へー」くらいにしか感じない性格なのだが、この映画に関しては全く予想がつかなかった。……というか、あんな怖い展開予想できるはずがない。


少しでも気になったら観てみてほしい。後悔はさせない。最悪、Wikipediaで調べれば話の全貌を知ることができるので、時間がない人はそれで。


古くから『結婚は人生の墓場』という言葉があるが、まさにそんな映画だ。結婚は、してはいけない。